横内水源林ブナ植林問題とは 【横内浄水場の水】  本州最北端に位置する人口30万都市、青森市の水道水は上質である。特にその約40%を まかなっている横内浄水場の水は八甲田山麓北側を集水域としており(約2,600ha)、水質は 水道水としては「日本一美味しい」(注1)とされている。  横内浄水場の集水域は多雪地帯であり、殆どが八甲田山の火砕流堆積物(表層部はローム 化)上に発達した森林(ブナの占有率は2割程度)に覆われており、全体の一部、取水口西 側の市営スキー場(モヤヒルズ)、隣接する分譲菜園地区以外目立った土地利用はない。この 自然条件が美味しい水を生み出しているのは事実であるが、その他諸要因をも含み、水質と の因果関係については現在のところ解明されていない。  (注1)1984年(昭和59年)おいしい水研究会(厚生省(当時)外郭団体) 【横内水源林ブナ植林事業】  青森市はこの横内浄水場集水域の一部、取水口の上部、標高350m前後、約37haにおいて 「日本一美味しい水を次世代へ確実に引き継ぐため」「安全でおいしい水を将来にわたって 安定して供給していくため」と称し1992年(平成4年)(注2)より有識者の意見を参考 に(注3)ブナ植林事業を始めた。  本事業では、諸団体、個人の苗木代の寄付(5,757万円)、市民ボランティアの植林作業 の手を借りて(延べ6,093人)、「地ごしらえ」された場所に実生二年生のブナの苗木が 植えられ、現段階で(2003年度)で最終目標の約90%、34,5ha、13万5000本が終了し ている。  (注2)(注1)の「日本一美味しい」評価8年後  (注3)青森森林管理署OBや森林組合あおもり等の意見、(水源涵養林に詳しい有識者が     含まれていたかどうかは不詳) 【問題提起と本シンポジウムまでの経緯】  2001年4月、当会会員が植林現場を訪れてみると、ブナ植林事業の実際の姿は、ブナ の苗木を植えるための「地ごしらえ」として、すでに水源涵養機能を有している健全に成 長した約30年生のミズナラ主体林を相当割合伐採する施業を伴っていることが判明した。  当会では2003年5月、青森市水道部に対してメイルでの意見申し入れを皮切りに、た びたびこの自然林の伐採と、科学的にブナ植林の必然性が無いという意味での経済的無駄 について指摘し、本事業の見直しを求めてきた。2004年1月15日、本問題が地元紙 で報道(注4)されたのをきっかけに、紙上、ネット上で議論が展開され、青森市水道部 と当会との話合いの機会も設けられたが、青森市水道部は2004年4月14日付けで、 本事業の今後のあり方について、基本的に方針転換は無い旨文書にて回答してきた。  その後、4月22日、青森市水道部より当会に対し青森市主催で開催する「水源涵養保安 林を考えるシンポジウム」のパネリスト参加の打診があり、5月18日開催された本シン ポジウムにおいて、当会は公開の場で問題提起をするに至った。なお、先立ち4月25日 には水道部、当会合同で現地検討会を開き、現状確認をしている。  (注4)東奥日報社 平成16年6月6日

青森の自然環境を考える会

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