Part-T
   パネルディスカッション      横内水源地の水源涵養保安林を考える 日 時 平成16年5月18日(火) 場 所 フェスティバルシティ・アウガ 主 催 青森市
△宮脇先生を囲む現地視察 △パネリスト △会場
コーディネーター  □ 田村 早苗  :青森大学助教授 パネリスト  □ 宮脇 昭   :横浜国立大学名誉教授,(財)国際生態学センター研究所長  □ 斎藤 嘉次雄 :樹木医  □ 小関 孝一  :青森の自然環境を考える会代表  □ 佐々木 誠造 :青森市長
     パネリストの主要発言へジャンプ をクリックClickしてください。
 田村:きょうは社会が認める森づくりで合意形成を  佐々木:「日本一おいしい水」がなくなったら、の心配がきっかけ  佐々木:水源保全の森づくり、平成4年からブナ植林  佐々木:ブナ植樹是非の議論が沸き起こった      そこで、宮脇先生を招きシンポジウムを開催      森づくりについて意見を出し合い、考えてみたい  斎藤:ブナ植林は最初は採草地、カヤ場から始まった      最近の植栽地は感じが変わってきた  小関:25年から30年のミズナラをバッサバッサ切って      運動の発端・・・・小さい子が「木を植えるのになぜ木を切るの?」  宮脇:本来はブナ林領域で、ブナ植林は間違いない      ブナ以外の木も大事で場所に応じて植える  宮脇:何でもブナ、ブナの宣伝は行き過ぎです     ブナ基本で他の樹種も植える     草取りは好きでない、下刈りやっても元に戻る

田村  早苗 (たむら さなえ)
青森大学大学院環境科学研究科助教授。農学博士。
昭和30年生まれ。日本女子大学を卒業後、東京大学大学院で森林科学を学び、平成14 年より現職。
青森県森林審議委員、自然環境保全審議委員、林野庁「森林の守り手」の姿を描く検討会 委員などを務める。著書「コモンズの社会学(第2章山村の暮らしから考える森と人の関 係)」他。
 田村:きょうは社会が認める森づくりで合意形成を
田村 早苗さん 皆様、今晩は。コーディネーターを勤めさせていただきます田村と申します。きょうはこ のように多くのかたがたに集まっていただきました。森林に対して強い関心の表れだと思 っております。 こんにち人々の価値観が多様化して、森林に何を求めるか、あるいは森林をどのようにと り扱うか、異なるさまざまな意見があります。これまで森林の扱いについては技術者を中 心とする専門家、あるいは行政担当者を中心に行ってきました。しかし価値観の多様化し た社会のなかで、そのような構図というのは最早容認されるものではありません。 森林はご承知のように、広域で多方面に影響するものであります。森林所有者はもちろん、 農業者、林業者、それから漁業関係者、都市住民、川とか海の管理者、動物や植物などの 自然環境に関わる人々、これら異なる立場、異なる意見のかたがたたちとの調整と、合意 がなければ社会が認める森林管理ということにはならないと思います。そういう意味で、 合意形成の第一歩として今日のこのシンポジウムの意義というのは、とても大きなもの であると考えています。 合意形成というものは、話し合いというプロセスを経て、一つの結論に同意するという、 そのゴールに向かって歩むものでして、そのプロセスにおいて信頼関係が築かれていくも のと考えています。きょうのシンポジウムのテーマに即していうならば、横内の森の 水源涵養機能を高めるというゴールに向かって、合意を形成していくということではない かと思っております。それではここでパネリストの皆さんのご意見をうかがっていきたい と思います。 初めに佐々木市長さんにおうかがいします。平成4年から、水と森を守る運動ということ で横内の集水域でブナの植林を始められたわけですけども、その事業の目的、あるいは経 緯といったものをお聞かせください。
佐々木 誠造 (ささき せいぞう)
青森市長。
昭和7年生まれ。早稲田大学を卒業後、会社勤務を経て、平成元年青森市長に当選。 平成13年4選、現在に至る。
 佐々木:「日本一おいしい水」がなくなったら、の心配がきっかけ
佐々木 誠造さん それではトップバッターをつとめさせていただきます。 私は、「いつまでも住んでいたい、いつかは住んでみたい、うれしい町をみんなでつくり たい」をスローガンに平成元年の5月に青森市長に就任させていただきました。そしてま ず私は、そのとき考えましたことは、青森市の良いところ、悪いところ、あるいは進んで いること、あるいは遅れているところについて考えてみたわけですが、それで知ったこと の一つが横内浄水場の水道水が昭和59年、当時厚生省の外郭団体の「おいしい水研究 会」がおこなったきき水大会で、一番多くのおいしいという票を獲得して、とくに美味し い水道水に選ばれたことでした。 とくにそのなかで、美味しい水の科学的な条件であります硬度とか蒸発残留物とか水素イ オン濃度とか、あるいは過マンガン酸カリの消費量とか、鉄分、pH、あるいは匂いと、 いずれも美味しい水の基準を満たしていたということから、全国一の栄誉に輝いたという ことを知ったのであります。 このことを機会あるごとに、会合のあるごとに私は吹聴してまいりました。しかし、ある とき、もしかしてこれが美味しくなくなったらどうしようというふうに心配になったわけ であります。 そこでまず、水源地を訪ねてみることにしました。八甲田山麓の前岳のきびしい沢をくだ りました。ところによっては綱につかまりながら、やっとの思いで沸きつぼにたどり着い たわけですが、そこですばらしい光景が私を待っていてくれました。 清らかな、いわゆる水がコンコンと湧き出ている。そしてその泉の周辺には多分、サワグ ルミだったと思いますが、この大木が取り囲んで、まるで森の精が、集会場所のような神 秘的な場所でした。そして水を手ですくって飲んでみましたが、その水の美味しさはなん とも感動的なものでありました。これがその水源地の沢の泉の様子であります。 この場所から深い沢を約10キロくだったところに、実は横内浄水場の取水口があるわけ でありますが、この水源地から、途中から小さな沢水も合流して横内川を形成して流れて まいります。 この水源を守り、沢を守り、貴重な安全なかたちで市民の皆様に、この安全なすばらしい 水を供給していくためには、なんとしても約10キロにおよぶ横内川水系の環境を保全し ていく必要があると考えたわけです。とくに横内浄水場でつくられる日量5万トンの水道 水は、先ほどビデオで紹介しましたが、薬品を使用しないで自然の自浄作用を利用した緩 速濾過方式という浄水場のために、濁度、いわゆるにごりですね、20度以上になります と取水を止めなければいけない。そして濁度のおさまるのを待たなければならない。とい うことが、この浄水場の特徴であります。
 佐々木:水源保全の森づくり、平成4年からブナ植林
そういうことから水源を自前で保全するしかない、というふうに判断しまして、民有地の 買収計画をたてて、森の荒廃を防ぐことにしたわけであります。これが、その最初の発想 です。民有林をその後、計画的に買収にかかりまして、およそ257ヘクタールを12年 ぐらいかけて買収させていただきました。それから財産区有地の、513ヘクタールあっ たんですが、その立木補償もしました。木を切れないようにしたわけです。 横内浄水場の水源保護地域は全体で約2630ヘクタールあるんですが、そのうちこのこ とによって、国有地と県有地、これが全体の約7割ちかくございます。水道部の、また財 産区有地、これが大体3割ぐらい。たしますと99.4パーセントが、これで公有地化で きたということです。 そこで、せっかく公有地化できたこの場所を、水源を保全する森づくりをしていく必要が あると考えました。そのときに、いろいろと水道部の職員などと話し合いをした結果です ね、ブナがいいのではないかということになりました。それでまず苗を育てようと、そし て平成4年、1992年から植林をはじめたわけであります。そうしたら、このことを知 ってボランティアの八甲田ブナの会をはじめとしてですね、水と森を守る市民運動として 輪が広がりました。平成15年までには、なんと6100人の市民が植林の現場まで足を 運んでいただいて植林に参加していただきました。そして寄付金もおよそこの間、580 0万円ほど集まりました。大体、37ヘクタールに10万本のブナの植林ができました。 最初に植えたブナは、今では、およそ6メートルぐらいまで生長しているのもありました。 将来が楽しみだなあと感心しておりました。
佐々木:ブナ植樹是非の議論が沸き起こった
     そこで、宮脇先生を招きシンポジウムを開催
     森づくりについて意見を出し合い、考えてみたい
これが青森市のブナを植林するに当たっての経緯なのですが、最近になりまして、これま でのやり方が果たして正しいのかどうか、という議論が沸き起こってまいりました。これ まで6000人を超える皆さんと、良かれと思ってやってきたことが、果たして正しかっ たんだろうか、あるいは間違っていたんだろうか。私自身がとまどったというところが正 直なところであります。 そこでこれは一度総括する必要があるというふうに感じていたわけですが、そんなときに 一冊の本に出会いました。それが今日おいでいただいている宮脇昭先生のことが書かれて いる「魂の森を行け」という本でございました。私はこの本を読みまして宮脇先生の活動 とお考えにいたく感動、感銘を受けました。まったく面識がなかったわけでありますが、 実はこういう問題でいま悩んでいるんだということをお伝えしましたところ、「市長のた めになるというより、青森市民のためになるならば、これは協力しましょうよ。一度まず 現地をみましょうよ」と快くお引き受けいただきまして、さっそくお出でいただいたとい うことであります。 きょうも飛行機で着かれてから現地へ入られて、つぶさにその現場をご覧いただいて、い ろいろご指導をいただいたということでございます。これが本日のシンポジウムになっ たわけです。 そんなわけで、いつまでも美味しい水を安定的に供給して欲しいという多くの市民の皆さ んの願いに応えていくためにも、このシンポジウムを通じて日本一の美味しい水を育む 森づくりについて意見を出し合い、そして何かもっとも良い方法がないのか、皆さんと一 緒に考えてみたい。そういうふうに考えておりますので、どうぞこれからの時間、よろし くお願いします。
斎藤 嘉次雄 (さいとう かじお)
樹木医、元日本樹木医会理事。
昭和22年生まれ。青森県立五所川原農林高校を卒業後、青森県森林組合連合会に勤務、 平成4年に樹木医の資格を取得。青森市景観審議委員、青森県景観アドバーザーなどを努 める。古木・巨樹の調査、診断を通して自然環境の保護に対する意識の啓蒙に取り組む。
 斎藤:ブナ植林は最初は採草地、カヤ場から始まった
     最近の植栽地は感じが変わってきた
田村さん ありがとうございました。 それではつぎに樹木医の斎藤先生にうかがいます。斎藤先生は、このブナの植林を始める ときに、現地での指導とアドバイスをされたと聞きました。そのお立場からどのようにお 考えでしょうか。 斎藤 嘉次雄さん 私、平成4年ですね、地元の森林組合、むかしの青森市森林組合に、いきなり市の水道部 のほうからブナの木を植えたい。ちょっと待ってくれよと、ブナの木はそう簡単に植えて 活着できるのかと。そういうことで、非常に粗末な調査でございますけども土壌試験その 他を一応しらべまして、どの程度の植栽密度で植えたら良いのか、それが今でいうと第一 工事なのですが、いま37ヘクタールと言いますけども、私の調査したところは下のほう の一番早いところで、20ヘクタールほどでございます。 当時の大体の土地利用、植える植栽の場所はですね、ほとんどが採草地、いわゆるカヤ場 のような状態でございまして、そこにアカマツ、それからミズナラが若干があり、非常に まばらな疎林でございます。あとはカヤ場、カヤがおがっているところでございまして、 ブナの植栽が良いのか、適しているのか、適していないのか、そこからの調査を行いまし た。 もう一つは、ブナだけで良かったのかも含めて、ブナの苗木を主体にしまして確か、あの ときの報告書のなかでは、ミズナラ、その他何種類かの樹種をあげております。結果的に はブナできょうまで進んできたのですけども。 きょう午後、現地の方へ行きまして、最近の2期工事といいますが、そちらの方のいわゆ る二次林をみてきました。まだ私の頭のなかでは二次林はどういうかたちでこれから進め ば良いのか、ちょっとまだ整理がついていませんけども、1期で進めたブナの植栽地とは、 大分感じが変わっていたようでございます。 いずれにしても、さっき宮脇先生のスライドをみていましたけども、この今までやってき た区切りのなかで、苗木づくりの、いわゆるポット苗ですね。これは今まではポット苗木 でない苗木を植林し、そして市民がこれほどまでに植栽地に関心をもち、また市民がこれ からボランティアで現地に入るということになると、いわゆる苗木づくりについて、もう 一回見直しをしなければならないのかなと、そんな感じでいます。
小関 孝一 (こせき こういち)
青森の自然環境を考える会代表、青森県自然観察指導員連絡会事務局長。
昭和28年生まれ。環境省自然公園指導員、白神山地自然解説員協議会副会長などを務める。
身近な自然との共存をテーマに自然保護運動に参画、県内外で自然保護運動の啓発・啓蒙に 現場第一主義で活動。
 小関:25年から30年のミズナラをバッサバッサ切って
     運動の発端・・・・小さい子が「木を植えるのになぜ木を切るの?」
田村さん ありがとうございました。 それではつぎに、青森の自然環境を考える会代表の小関代表にうかがいます。いま佐々木 市長さん、それから斉藤先生からお話がありましたけども、小関さんはどのようにお考え でしょうか。 小関 孝一さん まずこの場に異議ありのこの団体を呼んでいただきありがとうございました。 われわれは、植林イコールいい事だと、それは異議はございません。むしろ良いことは進 めていいんではないかと思います。 ところが、どんどん見ているうちに、いわゆる採草地、裸地から植林したという現地を見 ましたが、そうしたら全然違います。ミズナラをバッサバッサ伐って、いわゆる萌芽更新 した25年から30年の林を切り払い、バリカンのごとく切り払っている。 そこで、これちょっとおかしいよと数年前からクレームをつけていました。その時点で、 これまずいよな、ということで新聞をキッカケに皆さんに訴えかけたわけです。現場は、 やっぱり違うよ、と。 なぜ? 一番のキッカケはですね、小さい子が「木植えるのになぜ木切るの?」これに私 は絶句しました。何でだろう?と。そこが発端です。
宮脇  昭 (みやわき あきら)
横浜国立大学名誉教授、財団法人国際生態学センター研究所所長。名誉理学博士、名誉哲学 博士、名誉農学博士、理学博士。
昭和3年岡山県生まれ。広島文理科大学を卒業後、西独植生図研究所研究員、横浜国立大学 環境科学研究センター教授、同センター長などを経て現職。国内外で幅広い活動を展開し、 勲二等瑞宝章、ドイツ・チュクセン賞をはじめ多数の賞を受賞。著書「日本植生誌」、「植 物と人間」他多数。
 宮脇:本来はブナ林領域で、ブナ植林は間違いない
     ブナ以外の木も大事で場所に応じて植える
田村さん 宮脇先生、きょう現地を見てどういうふうにご覧になったのか、お願いします。 宮脇 昭さん 佐々木市長、それからいま小関さんがおっしゃったように、斉藤さんのご指導でやられた こと、それに対する色んな、緑に対しては十人十色、百人百色で皆なそれぞれの思いや願 いがあるわけです。どれもそれなりに意味があり違いますが、どういう目的でどういう森 をつくっていくかという目的意識をはっきりし、しかもそれをできるだけ早く間違いなく 着実にやるにはどうしたらいいかと、その辺を皆さんで十分に話し合ってベストの方向で、 ベターでなくベストの方向でやっていただければ、さらに良いものが出来ると思います。 あとで議論が出た結果で、さらに申し上げることがあるかと思いますけれども、いままで ブナを植えられたことが間違いではなかった、ということはハッキリしています。と申し ますのは、本来はブナ林領域だったわけです。ところが長い間、人間の干渉によってその ブナが破壊されますと、ブナというのは非常にぜいたくな木でありまして、非常に良い条 件、あるいは自然環境に十分対応していなきゃ、人間がそれをしょっちゅう切ったりしま すと、今度はブナより競争力は弱いけれども我慢できるミズナラとか、さきほど申し上げ ましたホウノキとかコハウチワカエデ、ウリハダカエデとかアカシデやシナノキ、ハリギ リなどが出てくるのです。どれも大事なのです。 しかし、本来の、将来50年、100年、1000年残るような命の森づくりをするには、 やはり土地の潜在自然植生(*1)の樹木を中心にする。それは基本的にはブナあり、し かし同じところでも急斜面ではブナの生育よりもミズナラがいいところもありますし、あ るいは谷筋ではサワグルミやシオジがいいところもあります。場所に応じて対応すべきで あって、すべてがブナというのでもないし、しかし、ブナが駄目であるというのも間違い であります。 (*1 潜在自然植生=potential natural vegetation、現存植生・原植生に対する新し い第三の植生概念。今、人間の影響を一切停止したとき、その立地に生じると判定される 自然植生。用語解説は「生態学辞典」1983年増補改訂版、沼田真による。以下同様)
 宮脇:何でもブナ、ブナの宣伝は行き過ぎです
    ブナ基本で他の樹種も植える
    草取りは好きでない、下刈りやっても元に戻る
またひとつ一般的に言いますと、どうも日本中がですね、私が住んでいる常緑広葉樹林帯 でも、とにかくブナの宣伝が行き過ぎましてですね、何でもブナ、ブナといわれているこ とに多少のアレルギーを感じられるかたがおられると思います。 この青森県、青森市、とくに八甲田の北斜面というのは基本的にはブナ林領域ですから、 それを中心にしながらさらに自信をもって進めていただく。ただその場合にやっぱりブナ だけよりも、本当にいいところはブナ純林がありますが、ちょうど萱の原から酸ヶ湯のと ころの良いところ。ところがちょっと条件の悪いところだと、すぐそれに対してほかの広 葉樹が入ってくるわけです。ですから今まで植えられたところは、今日みたところは十分 対応できるところがあり、最初に植えたところは非常に良いところで、ほっておいても 100年、300年でもなると思いますけども、いまマツが生えているようなところはブ ナの生育が悪いから、ブナだけでなしにブナと一緒に支える他の広葉樹を植えるとか、ミ ズナラとかトチあるいはヤマボウシとか、あるいはアズキナシとかオニイタヤ、アカシデ とかシナノキなどと、ある程度、混ぜられるといい。その土地によってどの程度のパーセ ントを混ぜるかは、現場を調べさせていただければ私たちは生態学的な基礎にたって、こ こではたとえばブナを90パーセントとか、あるいはここは70パーセントで、ほかのホ ウノキやウリハダカエデなど何パーセントでとか、ほぼ対応できますけども、全部、同じ ようにする、ブナというのはちょっと無理でございます。けれども基本的にはブナ林であ って、それにどのように他の種類を加えていくか、あるいは急な尾根筋とか、市長さんが おっしゃったような水が出るところであれば、ブナは無理でございます。そこはサワグル ミとかあるいはシオジあるいはヤマハンノキとかでありますから、場所に応じて植えてい ただくのであって、ただお願いしたいことは、私たちが前向きに考えるときにネガティブ な考え方をされないで前向きにひとつでも植えていく。私は、草取りというのはあんまり 好きでない。下刈りなど、やっても元に戻る。植えればまあ樹種にもよりますが、土地に 本来のものを植えれば確実に前に進みますから、そういう方向で市民の皆さんが一緒にや っていただきたいと思います。 一般論では間違いになります。ひとの顔ほど皆な違いますから。ですからその場所を、こ こはどうしたら良いかといわれますと、私たち現地ではハッキリいえますが、基本的には 青森県の大部分は、少なくとも海抜100メーターから上は、本来は一番いい条件はブナ 林である。それに対して少し厳しい条件、乾いたり尾根筋や急斜面であったり、人間の影 響が加わったり加えようとするときは、ほかの樹種を。その辺を目的と対象と将来の管理 の方法とかで十分に対応していただければ良いと思います。 水源涵養林としてはドイツなんかでもブナ林が一番いいといわれていますから、だからブ ナを基本にしながらほかの樹種も考えていけば良いと思います。
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